2011年07月20日

事件は外で起こっているんじゃない!


 うつ病になると、

 父親・母親が許せない!から・・

 友達がいじわるするから・・・

 上司からのパワハラが酷いから・・・

 非常識な人に振り回されてしまったからとか・・・

 あの人の行動に我慢しすぎてしまった・・・とか

 あいつの自分への物の言い方がきついから・・・

 または、周りが自分に冷たい・・・
 
 気をかけてくれないなどという

 いわゆる「他人のせい」・・・

 外からの影響をうつ病の原因にあげがちですが

 実は、そうではないんですよね。

 事件は外で起こっているのではなく

 自分の内で起こっているのです。

 そのうえ、もっと最悪なのはいつまでもその相手を

 恨み続けたり、憎み続けたりする事で

 余計に状態を悪化させている事に気がつかないという悪循環です。

 なぜなら

 自分以外の人間に、自分の脳にある扁桃体を興奮させて

 ストレスホルモンを分泌させることは

 できないのですから・・・・。

 自分がそれらの外的要因をストレスと感じ、ストレスホルモンを

 過剰に分泌したのですから・・・。

 このブログでも何度もお伝えしてきていますが、ストレスを

 受けない事はできないのです。

 この社会はストレス社会。

 自分からみたら変な人もいます。

 非常識な人もいるでしょう。

 理解に苦しむ行動をする人もいます。

 でも、それだから社会なのです。

 ストレスが無い方がおかしいのです。

 だとしたら自分で自分を守っていかなければなりません。

 うつ病になったからと言って、心騒がせて

 「あの人が悪い」「あの人が難い」「あの人が嫌い」

 と何百回考えても、その「あの人」が自分にとって良い人になったり
 
 やさしく接してくれたり、おもいやりをかけてくれるなど

 変わってくれるわけではありませんし、うつ病が治るわけでもありません。

 それどころか、扁桃体を興奮させてさせてどんどんストレスホルモンを

 分泌させて自分自身を攻撃してしまいます。

 思い出して、また悔しい思いをすることもストレスホルモンを分泌させます。
 
 これをマインドフルネスでは3次の感情と言います。

 (1)何かストレスになるような事を相手に言われた、責められた

    怒られた、否定された(あるいは態度で示された)

   それに対して、どまどった、悔しくなったり、悲しくなってしまった

   これを1次の感情

 (2)言われたり態度に取られたりしたことによって、カッと来て言い返した。

    するとまた相手から言い返されてますます悔しくなる・・

    あるいは非常に悲しい気持ちになる 自己嫌悪になる 感情の高ぶり

   これを2次の感情

  1次と2次の感情は瞬時に起きる出来事で自分で止めることができません。

  そして3次の感情

 (3)しばらくして。その出来事は治まったかのように思えたのに・・・

    思い出してまた悔しくなったり悲しくなったりした

   これを3次の感情

  3次の感情は最悪です。時間に関係ないのです。1時間経って思い出してまた

  扁桃体を興奮させてストレスホルモンを分泌することもあるでしょう。

  でも、これが1年・・・あるいは10年経っても思い出す場合があります。

  そんな昔に一瞬にしてワープしてしまって、あたかも今、起こった出来事の

  ように感じてしまいます。 
 
  そして、長時間思い出しあれこれ考えている時もあるでしょう。

  また、何度も何度も思い出しては自分を攻撃していることに気がつかない。
 
  これが、いつまでもうつ病が良くならない原因の一つ。

  1次・2次の感情は一瞬にして起こる出来事で、この時に生まれる
  
  怒りや悲しみやとまどいを止めることは非常に難しいです。

  でも3次の感情なら、浮かんできたら名前をつけて捨てる事ができます。

  (名前をつけて捨てるのは思考を止める訓練の初歩的方法です)

  それを訓練するのがマインドフルネスです。

  この1次2次3次の感情については、マインドフルネスのセッションの中で学びました。

  そしてセッションに参加するともっと詳しく教えて指導してくれます。
    

 「人を恨んだり憎んだりしたら自分に返って来るんだよ」

 と子供のころよくおじいちゃんおばあちゃんに聞いた事ある人も
  
 いると思います。
 
 これにもちゃんとした科学的な裏づけがあるんだなぁ~と

 この年になってやっと分かりました。


  ※1次2次3次の感情についてマインドフルネス総合研究所の大田先生の
   ブログに詳しく書かれていますのでリンクさせていただきます。
   http://blog.canpan.info/jitou/archive/2153


 拍手にコメント下さった方へ

  はちみつさんへ
   ご無沙汰しています。
   あきは、もうほどんど大丈夫です。
   これからもよろしくお願いいたします。

  雪月花さんへ
   代えたんですね。そうですか。 
   精神科の先生は、ご自身が診察されて約半年くらい
   から1年くらいたたないと実際の病名を付けてくれない
   方が多いです。
   それは、ほんとにうつ病なのか、双極性障害なのか
   統合失調症なのか、初期の段階、あるいはご自身で
   診察を始めた当初は判断できないからです。
   薬もそれによって少しずつ変わります。
   「心理療法」もそうです。
   あきの場合も、とっても良い先生でしたがまだ
   病名が決定できない時点では「まだ早い」とおっしゃいました。
   当然と言えば当然の事です。双極性障害にも統合失調症にも
   マインドフルネスが有効かどうかの立証ができていないからです。
   それでも
   「見学なら行ってきてください。どんな事をやっているか
    見るだけでもいいでしょう」と言ってくださいましたが
   結局、マインドフルネスのセッションを受ける事にしました。
   あきは、病院とは違う所(マインドフルネス総合研究所)で
   セッションを受けました。
   それでも回数を重ねて行くと主治医は
   「あきさんにマインドフルネスは合っていると思います。
    絶対止めないで続けてください」と何度も言われました。
   判断は、ある意味「自分たち」なんだと思います。
   治したいという強い意志が本人にあって、治してあげたいという
   強い気持ちが親にあることが大事だと思っています。
   たぶん代わられたところでは、認知行動療法にマインドフルネスを
   加味した心理療法をされると思います。
   良くなるといいですね!

   長くなりましたが、うつ病は波があります。
   あって当然と思う事です。
   調子の悪い時は「想定の範囲内」と思う事です。
   この波がだんだん弱まっていくぞと、親子ともども観察して
   みてください。落ち込んだからと言って決して心騒がせない。
   お手並み拝見!くらいの気持ちがうつ回復の近道です。

   ちょっとだけ先輩のうつ患者の母よりアドバイスです。(汗)


posted by シュガー at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | マインドフルネス | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック