先週土曜日の事です。
「今日は店長もいないし、がんばって売り上げるぞ!」
とやる気まんまんで非常に元気に家を出ました。
がんばってるな・・・・と少しほっとしていたのですが・・・。
お昼前にあきから電話がありました。
「バイトが始まって2時間くらいしたときに、急に身体が
がくんと力ぬけちゃって、その上、吐き気や頭痛や
気持ちまで落ち込んじゃって、いまとっても辛いの。
何か考えたわけじゃないのに・・・どうしてかな・・・」
実は、数日前から声がガラガラになっていました。
風邪かな? と思って聞くと
「お店で ず~~っと声を出していないといけないの・・・
私、新人だから私だけ声だしてるの・・・・
声が出なくなると怒られちゃうの。
そうしてたらだんだん声が出なくなってきた」と言うのです。
また、薄手のジョーゼットのブラウスにショーパンに10cmの
ニィハイブーツというスタイルで(流行りのファッション?)で
お店に立っているためか寒いと言っていたので、やはり風邪かも
しれないと考えていました。
そしてその日の午後、とうとう倒れてしまい帰宅しました。
ただただ、体力の限界でした。
家に帰るや否や、ベッドに倒れこんで動けません。
それでも、翌日は重い身体をひきずるようにしてバイト先に
出かけて行きました。声はまったく出なくなっていました。
そこで店長のきつい一言・・・
「声が出ないのに何で来たの?」吐き捨てるように言われた
そうです。そんなでは仕事にならないでしょ!迷惑だ!
と言わんばかりだったそうです。
「他の店では声が枯れて出なくなってもがんばっている店員さんがいたの・・・。
だから辛くても行かなきゃって思った」とあき・・・。
結局その日もすぐ帰宅したのですが、もうまったくビクとも動けなく
なりました。その上、うつ症状が出てしまい、気持が落ち込んで
「消えたい」気持ちと「衝動的に死んじゃうんじゃないか?」という
不安に押しつぶされそうになったそうです。
うつ病や非定型うつ病は、疲れは禁物です。
社会復帰には、週に2~3日 一日4時間程度の勤務から始めるのが
通常なのですが、あきの場合は、普通の人でも辛い仕事。
無理と分かっていても本人がどうしてもやりたかったため
「無理ならやめる」という約束でスタートしたバイトでした。
翌日、朝、あきは決心しました。
「憧れてやりたかった仕事だけど、体力の限界だよ。
足もどうやら痛くなくなったし、スタッフのみんなとも
仲良くなった。店長も怖いけど良い人だとわかった。
嫌なことは全部ぽいできていた・・・・
でも、体力がついていかなかった」
ということで、アルバイト先の店長と、本社に電話して
辞める意思を伝えました。
「大好きな仕事につけて嬉しかったのですが、体力が持ちませんでした。
大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
店長は
「こんなやる気のある子はなかなかいないので、できれば
辞めないでほしい」と言われたそうです。
本社では、
「うちの仕事は立ち仕事でしょ・・・それだけじゃなくきついし・・・
だからほとんどの人がストレスになって体調を崩したりするんです。
辞めることは承知したので気にしないでください。もし体調が
良くなってまたうちで働きたいというときはいつでも連絡してください」
と言われたそうです。
マインドフルネスの先生に連絡させていただました。
「心の使い方はだいぶ出来ているようです。
かなりきつい言い方や、お客様の冷たい態度なども、
すべてマインドフルネスで乗り越えることができていました。
次にはあまり疲れすぎない座ってできる仕事をと考えていますが
本人は自信がついたようで、正社員の道も模索しているようです。
今回のアルバイトは良い訓練になったと思えば、それだけで
価値があったと考えています。」とお伝えすると。
「健康な人でも続かないような仕事をよくやりましたね。
たおれたのは心が弱いせいじゃなく、過労ですね。
肉体疲労ですね。
マインドフルネスの基本ができているのですぐ回復なさるでしょう。
今度は過労にならないような仕事がみつかればいいですね。」
と言ってくださいました。
疲労でも身体症状だけでなくうつ症状は出ます。
次にはあまり疲れない仕事を探してほしいものだと考えておりましたら
「大学に行ってくる!」と言い出しました。
「私の代は、3年後まで仕事についていなければ新卒扱いに
なるらしいから・・・」と、翌日出かけて行きました。
それでもこの就職氷河期。
東京に住んでいればまだ就職口もあるのですが・・・・。
「いくつか資料もらったけど、どれも東京でしょ・・・・。
まだ独り暮らしとか心配だし・・・通うのも辛いし・・・。
外務省の仕事がいいなって思ったんだけど・・・・
大学にも行ったり、
こっちに近いところをハローワークで探してみたり
情報収集してみるね・・・・
でも、まずは体力を戻さなきゃ」と言っています。
数日、外出しないでゆったりしてから正社員への道を探すと
良いと思っています。
そんな中、また先生からメールをいただき褒められちゃいました。
「本当に、晃子さんの治す意欲の強さ、ご両親のご支援は理想的です。
すばらしいことです。
正社員になれるならいいですね。
自信ができてよかったです。」
短いアルバイトでしたが、ものすごい進歩を遂げたと思っています。
心が揺らがない。騒がせない。
外からのストレスを持って自らストレスホルモンを分泌させない。
アルバイト先にはご迷惑をおかけしましたが、あきにとってみれば
かなりの訓練になりました。